因幡の白うさぎのお話〜上巻〜
美しいヤガミヒメに求婚するために
兄弟達と旅に出たオオクニヌシ。
途中、全身の皮を剥がれ、ズル剥けの真っ赤かで
苦しみもだえている一羽のウサギに出会います。
助けを請うウサギに、意地の悪い兄弟達は
「海水を浴びて、小高い丘の上に横になって風にあたっていれば
自然に治るで」とウソを教えます。
ウサギが言われた通りにすると、
風にあたって皮膚はひび割れ、痛みは増し、
ますますひどい状態になってしまいました。
そこへ少し遅れてオオクニヌスシがやって来て、
瀕死の状態で横たわっているウサギに向かって事情を尋ねます。
「わたしは隠岐島に住んでいたのですが、
本土に渡ってみたいと思いました。ですが、その手段がありません。
そこでわたしは作戦を練り、海のワニザメをだまし、
わたしの仲間とワニザメの仲間と
どちらが多いか比べっことしよう持ちかけました。
ワニザメはわたしの言葉を真に受け、隠岐島から気多の沖まで
仲間を一気に並ばせました。
そこでわたしは数えるフリをしながら、
ワニザメの背中をぴょんぴょん渡って来ました。
そして、最後の一匹に差し掛かった時、
わたしはやーい。お前たちはだまされたんだと、
つい油断して笑ってしまったのです」
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